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ラブハーベスト⑤ 

連絡を受けたジョシアは 
まず救急車で運ばれていったクララの安否が気になり LR診療所に電話を入れました。
そうです。らぶりー村には1つしか病院がありません。


クララは極度の過労に加え 貧血がかなりひどく長期入院になるとのことでした。
無理に無理を重ねてしまったようですね。


身体の治療はジョシアにはできません。
診療所の方にくれぐれもお願いし電話を切りました。










そのあとジョシアは もう一人気がかりなマーシーの元へ急いでやってきました。






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「マーシー 大丈夫か??」

 

マーシーは起きていました。 そうです。あれからずっとキッチンにいたのです。



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「パイを焦がしてしまったんだ・・・・」

 

マーシーは小さな声で呟くようにそう言いました。

大好きなジョシアの顔も見ずに・・・。

 

「マーシー。 焦がしでも大丈夫だよ。何かつくろうか?」

 

マーシーのいつもと違う対応に気づいたのか

ジョシアは 優しくそう言いました。

 

それには何も返事をせずに 焦がしたパイを片付け始めたマーシー。

 



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そして 堪えきれずに その場で泣き崩れてしまいました。

 

 

「僕は・・・僕は・・・何をやってもダメなんだ・・・・。

             僕なんか 消えてなくなってしまえばいいんだ・・・。」

 

悲痛なまでの心の叫びでした。

 

マーシーは今まで自分の存在価値を見出せずにいました。

 

 

「何を言っているんだい、マーシー。

俺が 今必要としているのはマーシー 君なんだよ。」

 

ジョシアは優しくそう言いました。

 

「僕は・・・僕は・・・なにもできません・・・。

なにをやってもダメなんです。」

 

ずっとずっと家族の手助けをしたいと思っていたマーシー。

自分も家族のために役に立ちたい、そう願うのはマーシーだけではないはずです。

 

 

「クララは少し病院で休んでもらう事になった。

また元気になって この農場に帰ってくる。

俺は それまでずっと一緒にいるから どうか畑の手伝いをしてもらえないだろうか?」

 

とても丁寧にジョシアはマーシーに頼みました。

 

初めて人にものを頼まれたマーシー。喜びと不安が交差します。

 

「僕も手伝っていいの?またクララに怒られないの?僕にもできるの?」

 

 

「あぁ、全部大丈夫だっ!マーシー 君じゃないとだめなんだよ。」

 

 「うん・・・僕に出来ることがあるんなら なんでもするよ・・。」

 

 



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ジョシアは堪えきれずに 抱きしめて言いました。

 

「ありがとう!マーシー えらいぞ」

 

 

 

ここはラングフォード農家

 

 

身体を壊したクララと心を壊したマーシー それを支えるのはジョシアしかいません。

 

 

 

 

マーシーをベットに寝かしつけ ジョシアは 方々に電話をかけ始めました。

 

配達が出来ないため1件1件事情を説明し 取りに来てもらうように頼んだのです。



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明るくなった頃に畑に行きました。




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思った以上に畑は荒れ果てていました。

 

ここはラングフォード農家・・・・荒んだ畑だけが取り残されていました。

 

 

 

お昼を過ぎた頃 マーシーは起き出して来ました。

その瞳は とてもキラキラと輝いていました。

そうです。自分にはやる事があるのです。

 

 

 

 

ちょうど二人で食事をし 壊れたシャワーをジョシアが修理していた時です。




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「やぁ こんにちは。ジョシアの父ケントと弟のキルだよ。」

 

ジョシアが連絡を入れたようですね。

 

「こんにちは。僕はマーシーといいます。

ジョシアは手が離せないと言っていました。 どうぞお入りください。」

 

とてもしっかりとしたマーシーの声でした。

 


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イチゴが実っていましたが 病気のまま実をつけたため

味気のない色の薄いイチゴが畑に広がる中

 

ケントは壊れたスプリンクラーを直し



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あとの3人はせっせと収穫に励みました。

 

4人というのはとても仕事が速いです。

慣れていなくともみるみうちに 仕事が進んでいきました。

 

 

 

暗くなった頃

ケントは 帰宅することになりました。

 

 

 


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「父さん今日は本当にありがとう。助かったよ。俺はここに残るよ。」

 

マーシーを一人残して帰るわけにはいきません。

 

「あーそうしてあげてくれ。キルも残ると言っていたよ。」

 

 

そしてジョシアはゆっくりと話始めました。




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「今回のように 困った時に気兼ねなく相談できる人や施設って必要だと思うんだ。

それが公共であるのなら、村の住民は安心して暮らせるんじゃないかな?

どう 思う?父さん。」

 

ここで知り合っていなければ マーシーは一体どうしただろう・・・

人に頼る事 甘える事を拒絶していたクララも

公的なものがあれば頼れるんじゃなかったんだろうか・・・そんなことをずっと考えていました。

 

「なるほど その通りだな。

村役場や村長がいれば 知人ではなくとも助け合うことが出来る。

それが あるということだけでも 気持ちが随分楽になっただろうね。」

 

ケントはこの村の繁栄を願い たくさんの活動を2代目4人としてきましたが

今まで親戚で事足りた事が多かったため 盲点であったのかも知れません。

 

「その件は 俺に任せてくれ。

だから安心して ここの家のために専念しろ。キルの仕事の方もナンシーに伝えておくよ。

また 手が足りなくなったら いつでも連絡してくるんだよ。」

 

 

そう言い残してケントは帰って行きました。

 




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3人は夕飯の後 あと少しの収穫作業を続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日 ここはラングフォード農家

 

 

 

 

 

 

昨日すっかり収穫を終えた3人は 刈り取られた土に肥料を撒き始めました。




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代々女系家族だった農家に

男ばかり3人がせっせと働く姿は これまでなかったことでしょう。




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その後 ジョシアは手入れ不足で病気になった果物の木々たちに

1本1本 語りかけて息吹を与えました。

そうすることによって病気は回復しまた元気な姿に戻るのです。

 

木々たちも生き物 人と変らないですね。

 




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そろそろ今日の作業が終わる頃

ジョシアは弟のキルに話しかけました。

 

「キル ありがとう。本当に助かるよ。仕事もあったのにすまなかった。」

 

「いいんだよ。新しい仕事はすごく楽しいね。ここでずっと手伝えるから安心して。」

 

キルはナンシーのお店「チェリーちゅちゅ」の従業員でした。

ちょうど従業員の入れ替えをしていた頃で

キルにとっては ちょうどいい時期でした。

 

「今からLR診療所に 行って来るけど、あと頼むね」

 

畑が一段落ついたのでジョシアはクララに会いに行く事にしました。




 

らぶりー村に 1件しかない病院 LR診療所

 

着いた頃には すっかりと日が落ちていました。


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小さな小さな病院です。そうです。あまり患者がいないからです。




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夜になり余計にひっそりとした病院に ジョシアは初めて入りました。




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入院できる部屋はたったの二部屋

白い薄暗い廊下は 夜の病院の怖さでもありますね。



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「やぁ クララ」

 

ジョシアは笑顔で声をかけました。

 

「あ・・・ジョシア・・・。」

 

クララはゆっくりと身を起こしました。

 

 

 

そして とてもフラフラとおぼつかない様子でやっとジョシアの前に立ちました。

 


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「ごめんなさい・・・。かえって迷惑かけてしまった・・・。」

 

シャープな顔立ちは 重労働の証だったのでしょう。

いまは少し青白く 生き生きした瞳は曇っていました。

 

「大丈夫、困った時は皆で助け合えばいいんだよ。

後の事は気にしないで しっかり治して元気になるんだよ。」

 




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「ごめんね。。。ちょっと ここで失礼するよ。マーシーは大丈夫?元気?」

 

「大丈夫^^いつでも傍にいるよ。僕の大切な友人だからね」

 

「あぁー、ありがとう」

 

クララは安心したのか 少し笑みを浮かべました。

 

そこには素直になれず 怒鳴り散らしていたクララは もうどこにもいませんでした。




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そして ベットに入ると直ぐにスヤスヤと眠ってしまいました。

 

 

8年間・・・いえ もっと前から クララの頭にずっとあった農家のこと家族のこと

この日からジョシアのお陰で 全てを任せ全てを忘れ

ゆっくりと自分だけのために時間を過ごすことができました。

 

 

そうです。身体を休め心を休め しっかりとした休養をとることが出来たのです。

それが今のクララにとって 一番必要で一番大切な時間なのかも知れません。

 

 

 

heart_home2.gif  heart_back2.gif  heart_next2.gif 

 




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[ 2009/03/28 13:07 ] ストーリー | トラックバック(-) | CM(0)

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