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またね・・・。 


ずっと妊娠していることを 誰にも言わず日が過ぎていきました。


今ここで メラが一緒に仕事していたなら

言わないまでも 気付かれていたかもしれません。



せっかく やり直そうと決めたメラの大切な時期

この話をして また悩ませたくはありませんでした。


そして ノアは私に背中を押してくれた 大切な人

この状況を知ると責任を感じさせるかも知れません。

それは 私にとっては とても辛いことでした。


このところ 元気がなく落ち込んだ様子のデニーにも・・・・・。




もうそろそろ お腹が大きくなるかも知れない。

その焦りもあり 一人ここを辞めて出て行くことに決めました。

何よりも お腹の中の赤ちゃんを守りたい。






「姫・・・。お話があります」


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「あら、珍しいわねー、なにかしら」


姫は にこやかに そう答えました。




「私 妊娠をしています。なので・・・・」

 

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その一言だけで 誰の子供かがわかった姫は逆上しました。



「なんてことっ!!!この恥知らずが!

あなたのしたことは どういうことかわかっているの?! 私たち もうすぐ結婚するのよっ!」



結婚・・・・・? 私たち? まさか・・・・・



その怒鳴り声を聞いてデニーがとんできました。

とてもとても 今まで見たことのない険しい表情でした。



 

「なぜ今ここで そんなことを彼女に言うんだ!!」

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「あら、 いっちゃー悪いことかしら?本当のことじゃない。

それとも 隠してニーナと遊び続けたかったのかしら?」



 

「結婚は 父上が決めたことで まだ承諾したわけじゃないだろ!」

 

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「デニー あなた お父様に刃向かう おつもり?

それに こんなことが知れたら どんなに悲しむでしょうね~~~」



執事とご主人さま。

やっぱり それだけの関係ではなかったんだ・・・・。

いったい 私の存在はなに・・・・・・?


 



「私は 今日ここを出て行くつもりです。」

 

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デニーは 私のその言葉に驚いた表情を向けた。

 



「あら、そうしてくださる。そして2度と私たちの前に現れないでくださいね。

もちろん、子供を産むのはあなたのご自由ですが 認知はしませんので。

これ以上 迷惑をかけないでちょうだい」



淡々とした姫の言葉だったが 冷たさが突き刺さった。



私たち・・・・?認知はしない?

あなたはご主人であったとしても なぜ二人の関係や意思は尊重されないの・・・?










最後の夕食を作り リックに今日出て行くことを伝えた。

 

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「なぜ?? なぜなの? 行かないで・・・・」


デニーは 食事をほとんど口にすることなく席を立った。





キッチンを片付け きれいに磨いてから 自室に入った。


その時 デニーもやってきた。

 

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「妊娠していたんだね・・・・。言って欲しかった」


「ごめんなさい・・・・。でも、私・・・・。」






ここに来た時の 本当に質素なワンピースに着替えた。

そう、これが本当の私なんだよ。

大きなお屋敷に住む人たちのことはわからいはずだよね・・・。




デニーは 屋敷のことを話し始めた。それは 今まで聞いたことのない内容だった。



デニーは幼い頃孤児で 姫の父に助けてもらい育ててもらったらしい。

もし それがなかったら 今ここに命はなかったと言う。

とてもとても 温情の厚い方で 分け隔てなく誰にでも愛情を注ぐ素晴らしい人。

 

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その恩に報いるように ご主人様に仕える執事を希望し

姫が自立し この屋敷に共に行くようにと言われた。

くれぐれも娘を頼むと・・・・。



そして 最近になって 姫との結婚を願う 父がその話をされたらしいのだ。

デニーの 元気がない様子は それが原因だったのかも知れない。




私の入る隙間は いったいどこにあるのかしら・・・・。

 



「デニー・・・・、私はこのお腹のあかちゃんが愛おしくなっているわ・・・・。

産んで迷惑をかけないようにするから・・・・だから・・・・」

 




「何言ってるの?!ニーナ もちろんだよ。僕の大切なニーナとの子供じゃないか。

愛おしく思うのは 同じなんだよ。

頼む、信じて欲しい。どんなにニーナが大切か・・・・」

 

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「ありがとう・・・・・」




「今は 一緒に行けないけれど 必ず迎えに行くから。

身体に気をつけて 丈夫な僕の子供を産んで欲しいんだ。必ず・・迎えにいくから・・・」




デニーの震える言葉は全てをもの語っていた。

私には わかる、本当に辛いのは私じゃない・・・・・。デニーなんだ。





 

ここに来て1年弱


私は 来たときよりも 何倍も大きくなっているような気がしました。

いろいろなことを経験して成長をしたのか それとも子供を守る強さなのか。



迎えに来たタクシーに 乗り込みました。


「またね^^リック」

 

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リックの悲しそうな顔が突き刺さります。


「ニーナ・・・・ また 会えるよね」





デニーは 何も言わずに硬い表情をしていました。

 

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このお屋敷とお別れです・・・。たぶんきっと もう訪れる日は来ないでしょう。

 

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「デニー、なぜ??僕は 僕は・・・・優しいニーナが好きだよ・・・」


「あぁー、僕も大好きだよ・・・リック」


 

ちょうど そこにネリアスがやってきました。

 

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「よーー!!なんで 二人ここにいるんだっ」



「今 ニーナのお見送りをしていた」

 

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「今 行ったタクシーか?・・・・どこにいったの」

 







「ここを辞めて出て行ったんだ・・・・」


「なぜ?!」

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「僕の子供を妊娠している・・・・・。それで・・・」


「はっ?!こんな夜に 一人でかっ!?なんてことだ・・・・・

いったい どこに行くところがあるんだよっ!!」




「・・・・」

 

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「俺は いま お前をおもいっきり殴りたいのをこらえてる。わかるか、デニー」



「わかっている・・・よ。僕が彼女を守れなかった・・・・全部 わかっているよ」

 

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「こんなことを言えた義理じゃないが・・・・。

今の僕はここを離れることが 出来ない・・・・、ニーナを頼む・・・・」




ネリアスはデニーが自分に それを託す辛さをかみ締めた。

 

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「わかった・・・」

 

溢れた涙を隠そうとするデニーを見送りながら そう静かに答えた。

 






そしてデニーは

 

ニーナのいなくなった部屋で いつまでもいつまでも 泣き崩れた・・・・・。

 

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[ 2009/07/24 12:28 ] プーニカタウン | トラックバック(-) | CM(0)

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